筋肉
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正立顕微鏡と吸引型の固定装置を用いることで簡単に観察することができます。ここでは簡単にイメージングできる大腿筋を例にした説明を行います。
- イソフルランなどの麻酔薬を麻酔装置にて使用し、マウスを寝かせます。以下の作業はすべて麻酔下で行います。
- マウスを仰向けに寝かせて後ろ足の太ももの内側を上に向け、足の付け根から足の先へ向けて1cm程度の範囲の毛をバリカンで剃ります。(写真1)
- はさみとピンセットを用いて、足の付け根から足の先の方向へ1cmほど皮膚を切開します。(写真2)
- ピンセットや麺棒などを用いて切開した皮膚を左右に開き筋肉を露出させます。
- 筋肉上部には薄い膜があるので、ピンセットで筋肉に傷が付かないように丁寧にはがします。
- 1cmほどの厚みの板を大腿部の下に置き、筋肉の表面がマウスのお腹と同じくらいの高さになるようにかさ上げをします。
- 吸引型固定装置のステージの上にヒートプレートを敷きます。このとき、キムタオルのような紙をヒートプレートの上に敷くと後片付けが簡便になります。
- 観察部位をPBSで少し湿らせます。また、筋肉の上に付いた毛や麺棒の糸などが付着している場合はPBSを含ませた布のようなもので軽く拭きながら取り除いてください。
- マウスをヒートプレートの上に置き、吸引型固定装置の底面を観察したい筋肉の上に近づけ、吸引を開始します。このとき水銀ランプで対物レンズ下を照明すると、どこが吸引される場所であるかが分かりやすくなります。吸引圧は鬱血しない程度が望ましいです。吸引圧は40mmHg程度にします。(写真3)
- 顕微鏡でのイメージングを行います。
ここでは大腿筋での手法例を紹介しましたが、部位の異なる筋肉でも同様なプロトコールでイメージングを行うことが可能です。
動画撮影

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大腿筋のマッスルファイバーをZスタックで表皮に近いほうから深部まで撮像しました。細胞質に蛍光たんぱく質が発現しているマウスを使用しているため、楕円形の核が黒く抜けているように見えています。画像は表面から150umほど深部をCFPにて観察しています。
画像撮影条件 |
マウス |
Eisuke |
顕微鏡 |
FV1000-MPE |
対物レンズ |
XLPLN25xWMP |
レーザ波長 |
840nm |
レーザパワー |
12~60mW(BrightZ使用) |
Speed |
20us/pxl |
観察エリア |
XY:512x512 pxl、左:Zoom 2x (200x200um)
Kalman2x
3um step 61枚 0~180um |