皮膚

(写真にカーソルを置くと、モノクロはカラーになります。また、クリックすると別ウィンドウで拡大表示します。)

正立顕微鏡と吸引型の固定装置を用いることで簡単に観察することができます。

  1. イソフルランなどの麻酔薬を麻酔装置にて使用し、マウスを寝かせます。以下の作業はすべて麻酔下で行います。
  2. 観察したい部位が背中やお腹などであれば毛をバリカンで剃ります。剃る面積は1円玉程度の大きさがあれば十分です。耳など毛の少ない部位ではバリカンでの剃毛は必要ありません。(写真1
  3. 観察したい部位へ除毛剤を塗って数分間放置した後、毛とともに除毛剤もきれいにふき取ります。(写真2
  4. 吸引型固定治具の上にヒートプレートを敷きます。このとき、キムタオルのような紙をヒートプレートの上に敷くと後片付けが簡便になります。
  5. 観察部位を水で少し湿らせます。
  6. マウスをヒートプレートの上に置き、吸引型固定装置の底面を観察したい皮膚の上に近づけ、吸引を開始します。耳の観察時はピンセットで耳をつまみ吸引部に近づけるようアシストを行います。このとき水銀ランプで対物レンズ下を照明すると、どこが吸引される場所であるかが分かりやすくなります。吸引圧は皮膚が鬱血しない程度が望ましいです。吸引圧は50mmHg程度にします。(写真3
  7. 顕微鏡でのイメージングを行います。

用意するマウスはBALB/Cのような白い毛を持つマウスが望ましいです。黒い毛を持つマウスの場合、メラニンの自家蛍光がイメージングの邪魔になる可能性があるからです。
背中やお腹の皮膚は角質層の隙間から自家蛍光が発生することがあり、あまりイメージングに向いていません。皮膚を観察するなら耳をお勧めします。

動画撮影

基底層
基底層
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細胞間でのERKの活性の伝播の様子をFRET(CFP-YFP)にて観察。イメージは擬似カラーを使用、ERKの活性が高いものが赤、低いものが青く表示されるようにしてあります。
左:CFP 基底層、右:SHG コラーゲンファイバ。

画像撮影条件
マウス Eisuke
顕微鏡 FV1000-MPE
対物レンズ XLPLN25xWMP
レーザ波長 840nm
レーザパワー 8~105mW(対物出射)
Speed 20us/pxl
Kalman 2x
観察エリア XY:512x512 pxl、 Zoom 2x (約250x250um)
Z:3um step 35枚 0〜102um

基底層でのレーザアブレーション実験
基底層でのレーザアブレーション実験
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イメージング開始から10分後に行われたレーザアブレーションによって周りの基底層の細胞のERKの活性が上昇している様子が見えています。

画像撮影条件
マウス Eisuke
顕微鏡 FV1000-MPE
対物レンズ XLPLN25xWMP
レーザ波長 840nm
レーザパワー 10mW(対物出射)
Speed 20us/pxl
観察エリア XY:512x512 pxl、 Zoom 5x (約100x100um)
1分間隔 61枚 約1時間のタイムラプス

準備するもの
麻酔薬および麻酔装置
バリカン
除毛剤

ヒートプレート