二光子励起顕微鏡よるマウス臓器の観察

吸引型固定装置  これから実験を始めようという研究者の皆さんに、さまざまな臓器を顕微鏡下でイメージングする手法に用いる吸引型の固定装置を下記に紹介したいと思います。吸引型の固定装置の特徴として下記が挙げられます。

  • もっとも二光子顕微鏡で利用されている正立型の顕微鏡でも臓器などの部位を簡単にイメージングすることができる。
  • カバーガラスが対物レンズの光軸に対して垂直に配置されるため、フラットな面の観察を行うことができる。
  • 観察部位が吸引により固定されているため、眼底注射などのインジェクションを行う際などにマウスに触れたとしても、対物レンズの観察面がぶれることが少ない。
  • 観察部位が吸引により固定されているため、マウス全体を固定する必要がなくマウスを観察しやすい体勢にすることができる。
  • 水を受けるカップが用意されているため、水浸対物レンズでの長時間の観察でも水切れが起こりにくい。

イメージング時の吸引型固定装置の構成

吸引型固定装置の構成
  • ステージ:マウスを乗せる台です。
  • アーム:アームはマイクロメータを回転させることで、XYおよびZ方向に移動します。観察したいところに吸引部を移動させるために使います。
  • 吸引部:吸引部の底面と臓器を密着させると、吸引部内のカバーガラスと臓器の間には空間が生じます。この空間のガスを、チューブ介してポンプで吸引することでカバーガラスと臓器を密着させます。
  • カバーガラス:φ12mm 厚み0.17mmのカバーガラスを使用しています。
  • 浸液保持部:浸液をためておくために使います。24時間のタイムラプス観察を行ってもすべての水が蒸発することはありません。
  • 浸液:主に水浸対物レンズを用いるケースが多いので、通常は水を用います。ドライ対物レンズを使用する場合は何も使う必要はありません。

質疑応答・お勧めの方法等

バーチャルイメージングセンターには、下記にようなスレッドがあります。)
  1. 多光子顕微鏡を用いたマウス生体イメージングマニュアル